公表された宇宙基本計画案(6) | 時評コラム | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉

「自然科学へのきちんとした投資がなければ、正常に動作する早期警戒衛星システムを構築することはできないのである。単に防衛産業に予算を投入するだけでは、駄目なのだ・・・私の見るところ、情報収集衛星に関する政府の秘匿姿勢は、公安関係者の“本能”によるもので、きちんと秘匿によって、日本がどれだけ得をし、損をするかをという利害得失を検討した結果ではないようだ。内閣官房には、インテリジェンスを担当する内閣情報調査室が存在し、内閣衛星情報センターは内閣情報調査室の下に置かれている。内閣衛星情報センターの運用には、インテリジェンスや公安の関係者が多数参加している・・・1998年以降7000億円近い予算を使ったということは、相応の金額が、官需として三菱電機を初めとした宇宙関連産業に流れ込んだということである。三菱電機やセンサーや地上系の開発に参加した日本電気などは、官需に応えることで分解能1m以下の光学センサーや、分解能数m級の合成開口レーダーの技術を蓄積していることになる・・・安全保障分野への宇宙技術の適用は、自民党の一部政治家が考えるような「日本を普通の国へ」という単純なものではない」らしい。隠しているんじゃない恥ずかしいだけだ。