公表された宇宙基本計画案(4) | 時評コラム | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉

「国が行う技術開発ならば、1/2程度の低コスト化では足りない・・・国の目標となりうるのは、打ち上げコスト1/10以下を目指す、再利用宇宙輸送システムを意識した、基礎的かつ着実な研究開発である・・・最後に、「宇宙輸送システムに力を入れなくてもいい」という認識は、同時に宇宙基本計画(案)の中に矛盾を持ち込んでいることを指摘しておこう。今回、宇宙太陽光発電の推進が計画(案)に盛り込まれた。それも、「9つのシステム・プログラム」のうちの一つという破格の位置付けである・・・今回の計画(案)では、宇宙太陽光発電は優遇され、宇宙輸送システムは冷遇どころではないお寒い状況にうち捨てられている。このままでは、宇宙太陽光発電をいくら研究しても、いつまで経って実用システムの打ち上げは、打ち上げコストが高いので無理、ということになってしまう・・・今回の宇宙基本計画(案)は、ニーズ先行を意識しすぎたあまりに、宇宙輸送システムの分野で、削ってはならない研究開発をも削ってしまった──それが私の評価である」らしい。