記者の目:宇宙開発戦略本部の「匿名」「密室」論議=西川拓(東京科学環境部) - 毎日jp(毎日新聞)

「新体制の下では、戦略本部の会合も、基本計画を策定する有識者会合も、すべて非公開になった。各会合の後、報道関係者向けに内容の概要説明はあったが、発言者を伏せた形で意見の要点が簡単に述べられるだけ。戦略本部のホームページにも議事録は掲載されず、個条書きの発言要旨が、1カ月ほど遅れて載っただけだった・・・私は何度も会合の傍聴を求めたが、戦略本部事務局は「自由に議論してもらうため」として一切応じなかった。副本部長の野田聖子・宇宙開発担当相も「有識者の中には宇宙の知識が十二分にない方もいる。そういう方の発言に対して、外部からやゆされることがあってはならない」と消極的」らしい。お前が一番・・・。「重大な方針変更が唐突に提出され、議論らしい議論もなく決まったことにも違和感を覚えた・・・特に自前の有人ロケット開発の是非は、宇宙開発関係者の間でも、費用や人命のリスクを国民が許容できるかどうかを巡って意見が割れており、議論抜きに済ませる問題ではない・・・GXは開発コストが膨れ上がり、昨年来、宇宙開発委員会で開発継続に否定的な意見が続出。新固体ロケットも総合科学技術会議による08年度予算査定で「減速すべし」と判定された。1年程度でこの状況が変わったとは思えない・・・全体として産業界の意向が強く反映されている。戦略本部の豊田正和事務局長は「100人以上の関係者から意見を聞き、判断した」と説明するが、そんな「匿名」の意見や密室の議論ではなく、堂々と公開の場で意見を出し尽くすべきだ」らしい。こ、コメントできない・・・。